先日の「新着フェア」が無事終了いたしました。
お忙しい中、ご来店くださった皆様、ありがとうございました。
引き続き店頭には、買い付けてきた商品を随時並べていますので、期間中、来れなかったお客様も、どうぞお越しくださいませね。
さて、涼しくなった夜、カードの束をほどいてみました。
アメリカには「グリーティング」の習慣があり、誕生日や母の日、結婚記念日など、人生の節目の日にカードを贈り合います。
メールでのやりとりはおろか、電話さえもなかった昔から人々は親しい家族や友だちを思いやってカードを贈りました。
あらかじめ印刷されている文面に、ひと言ふた言添えているものがほとんどで必ずその人のサインが入っています。
私が入手したカードの束は1つの家族のものでした。
カード自体は「Made in Canada」で、家族の1人に「Yvonne(イヴォンヌ)」という名前が見られることから推察すると、この家族はフランス系カナダ人で、何らかの理由でアメリカに住むようになった人たちと思われます。
「Sam(サム)」はどうやらまめな愛妻家のようで、毎年、妻の誕生日には「Much Love」「With Love」と書かれたカードを贈っています。
「Mother's Day」のカードが一番多く残っていることから束は、この家の母親が大事に持っていたのでしょう。
中でも、娘の1人「Bellamy(ベラミー)」が病気になった母親に宛てたカードは胸を打ちました。
近況を綴る長文で、「ずっと病気でいるお母さんをなかなかお見舞いに行けない私たちを許してください。神様がお母さんに、もう一度健康を与えて下さいますように」とあります。
カードの日付は1920年代から60年代まででした。
そこには40年にわたる家族の物語があり、人々の思いが込められていました。
当時のカードは、滲んだようなインクの色合いが美しく、デザインもノスタルジックで素敵です。
カードを1枚そっと壁に立てかけてみましょう。
優しい気もちになれそうです。